「将来の夢? 農業!」
そんな子どもたちが増えたらうれしい。
採れたての野菜は、みずみずしくて栄養も豊富。収穫後でも土に埋めると根を張るくらい生命力があるんです。
永田農園では、そんなおいしくて栄養があって安全な野菜を多くの人に届けること、
そして、作り手が希望をもち、ワクワクしながら野菜をつくることを大切にしています。
願わくば、「野菜っておいしい、農業って楽しそう、農家ってカッコイイ」という子どもや若者が一人でも増えてほしい。
そのためにやるべきことは何かを考え、いまコツコツと挑戦を続けております。
ぼくが就農したのは2010年のこと。それまでは東京で会社員として働いていました。外の世界から農家に入ると不思議に思うことがたくさんあり、とくに流通経路の少なさと、出荷量で評価が決まることに違和感をもちました。
当時は主に地方市場に出荷しており、卸先は確保できるものの相場に左右されがち。良いものをつくっているのに経営は安定しにくく、父の負担が大きすぎるのも課題でした。
そこで取り組んだのが、販路の開拓と生産フローの改革です。自分たちの野菜の良さをきちんと伝え、供給量を確保することで企業との直取引を実現。また、ものづくりの世界に当たり前にあるオーダーメイドという生産方法を取り入れました。
こうした取り組みができたのは、近隣エリアで活躍する若き生産者集団「トップハット」での活動も大きいです。仲間たちと共同して、農家の新しい形を築いています。
「永田農園の野菜はおいしい」「永田農園と取引したい」という言葉が、ぼくらにとってどれほどの希望となるか。2019年に直売所をオープンしましたが、「枝豆はここで買うと決めているの」「たくさん買ってご近所におすそ分けするの」と楽しそうに話してくださるお客様もいて、とてもうれしいです。
子どもたちや若者の立場に立つと、おいしい野菜は好きだけど、農家になりたいとは思わない、というのが正直なところではないでしょうか。でも、本来ものづくりは楽しいもの。農業が魅力的で希望のある職業であることを、ぼくらが体現していきたいです。
ご挨拶
異業界での経験を生かし、新しい永田農園を築いています。
十代の頃は音楽やアートが好きで、高校卒業後は東京の音楽系の学校に進学。コンサート製作会社やセレクトショップで働いたのち、家業に就きました。こうした異業界での経験が、今農業に生きています。
たとえばアパレルの販売では、素材・製法・トレンドなどの幅広い「知識力」と、それを踏まえたうえでの「観察力」や「提案力」が求められますが、農業も同じです。進化する技術を学び、土・作物・天候を観察して栽培し、取引先にプレゼンします。また、外の世界を知っている分、フラットな視点で向き合えることも大きいです。
現在は、自分、父、母、姉を主軸に、十代・二十代の若者を仲間に迎え、新しい永田農園を築いています。ちなみに奥さんは東京時代の同僚で、ぼくが就農してから結婚。彼女もまっさらな目で、野菜や農業に向き合ってくれています。
まずは、永田農園の野菜を一度食べてみてください。野菜ぎらいの子どもたちも減るのではないかなと思います。まだ幼い娘や息子も、モリモリと食べていますから。
永田農園 代表
永田 広之
ABOUT FARM
大井川の恩恵を受けて育つ野菜
静岡県は山と海に恵まれた地です。これらをつなぐのが川ですが、一級河川「大井川」もそのひとつ。大井川は、日本で第3位の標高を誇る南アルプス・間ノ岳を水源とし、168kmにわたり県中部を流下して、駿河湾に注ぎます。
私たちの農園は、そんな大井川の下流域に広がります。自然のミネラルを豊富に含んだ大井川の流水が野菜にたっぷりと蓄えられ、いきいきとした野菜に育つのです。
レタス栽培に適した土壌と気候
永田農園の作物の半分以上を占めているのがレタスです。レタス栽培で欠かせないのが、水はけと日当たりの良さ。大井川下流域の土壌は水はけが良く、気候も温暖なため、レタス栽培にぴったり。外的被害を受けにくい分、すくすくと素直に育ちます。当農園では秋・冬・春にレタスの作付けを行い、1年を通して安定的に収穫・供給しています。ちなみに、当地区のレタス栽培は戦後復興期から始まっており、すでに60年以上の歴史があるんです。
野菜に寄り添ってつくる
永田農園では、できるだけ農薬に頼らない栽培方法を選んでいます。野菜の根の張り方や葉の様子を観察し、足りていなそうな栄養素だけ、厳選した堆肥や緑肥などで補います。与えるときは、欲しているものを、欲している分だけ適切に。あとは、野菜の生きる力にゆだねます。
ぷっくりと実った野菜たちは「うまく育ったでしょ」と言わんばかり。これからも、野菜に寄り添った農業を続けてまいります。
水と土と太陽の恵みがぎゅっとつまった
おいしい野菜をお届けします。